出張レッスンのフルート・ピアノ教室 ぱるぱる音楽教室《豊島区・練馬区・中野区・新宿区》

出張専門の音楽教室をしています。講師の日常と、レッスンについてのあれこれ。

ピアノの練習をしない子への対応〜保護者の方向け〜

うちの子、全く練習しないんです。

ピアノを習わせる親御さんにとって、お子さんが練習しないというのは本当にもどかしく、何のために習わせているのかしら?ちっとも上手くならないじゃない!!と悩む方も多いと思います。

・先生がもっと厳しくしてくれたらいいのでは?
・練習しないならやめなさい!と強く叱る?
・毎日無理やりにでもピアノの前に引きずる?

どれも違うと思います。

ピアノを楽しく続けていくために、私が考えている「練習しない子ども」への対処法をご紹介したいと思います。

とりあえず…何もしない、何も言わない

一見無関心にも思えますが、短期間練習が疎かになっている程度なら何もしなくても良いと思います。
疲れているのかもしれないし、今の宿題の曲が嫌いなのかもしれない、ただやる気になれないだけかも。

先生も対応を考えていると思いますので、数週間なら様子を見るのもありです。
特に習い始めて数ヶ月くらいの時期は、新鮮味も薄れて、思い描いていたような演奏をするには時間がかかると気付き始め、足踏みし出すことも多いです。

レッスンで練習という形になっていても、先生から強く注意などなければ、暖かく見守って頂ければ状況も変わっていくかもしれません。

反抗期真っ只中なら、尚更何も言わない方が良いです。

よく話を聞いてあげる

やる気がない時期が長引き始めたら、「最近ピアノ弾かないよね〜。難しくなってきた?」と聞いてあげても良いと思います。
「難しいからもうやりたくな〜い」
「楽しくないんだもん」
「ただ忘れてただけだよ」
など、色んな回答があると思いますが、一度は「そうなんだね〜」と共感して受け止めてあげてください。

そして、小さい子なら、一緒に弾く時間を一度たっぷりとってあげてください。

お父さん、お母さんがピアノが弾ける場合は、なんだか前よりすごく上手になったみたい!と褒めてあげるのもいいかもしれません。
猫踏んじゃったとか、童謡のようなものを一緒に弾くのも良いでしょう。
猫踏んじゃった早弾き対決とか、懐かしくて楽しくないですか?笑

!!「下手」とか「こんな簡単なの、なんで出来ないの?」という後ろ向きな言葉は控えてあげてくださいね。!!

ピアノが弾けないお父さんお母さんなら、ピアノを教えてもらうつもりで、一緒に練習してください。
「パパは音符が読めないんだけど、これはなんの音か教えて欲しいなあ」と教えてもらったり
「一曲何か聴かせてよ〜!!」
というのもいいと思います。
こちらも必ず褒めてあげてください。

褒めるのが苦手な方もいると思います。
でも、特別大きなリアクションでなくても子供には伝わります。
普段と同じテンションで
「ピアノっていいよね〜」
「母さんその曲好きだな」
と言われたり、頭を撫でてもらうだけでもいいんです。
ピアノに気分が乗らないならワークブックを一緒にやってもいいと思います。


小さい子なら上記のような感じでも効果が見込めますが、ある程度大きくなってくると、やりなさいと言われた分だけやらなくなりますので、対処法が変わってきます。

お父さん、お母さんが〜〜している時のBGM作戦

これは小学校3-4年生以上のお子さんに結構効果があるようです。

「お母さんが料理してる間ピアノが聴けると嬉しいから、ピアノの時間にしない?」
「お父さんがお風呂にいる時、ピアノが聴こえてきたらのんびりできるなあ」

と純粋にピアノが聴こえたら嬉しいと伝えることが大事です。
毎日のことなので、この時間は練習する、という習慣づけにも役立ちます。

毎日椅子に座れたらOK作戦

私も生徒さんに時々実行しています。
「塾や習い事でめちゃくちゃ忙しい日でも、一日一回ピアノの椅子に座るって約束、守れるかな?」
と聞くと
「座るだけでいいの?楽勝じゃーん!!」
と答えが帰ってきます。

練習して欲しいなあという気持ちはぐっと堪えて
「勿論座るだけでOK! 忙しくない時は、〇〇くんの大好きなかえるのうただけでいいから弾いてみてよ。上手になるよ」
と、宿題以外でも構わないので、その子が確実に弾ける曲を弾くよう促します。
そして、毎日できたら色ぬりするシートやシールを貼るスペースを作れば、大抵の子供は実行できます。

親御さんが実行するなら、以前発表会で弾いた曲とか、少し前に習った簡単なものを勧めると良いと思います。

とにかく練習のハードルを下げることが大事です。
驚くことに、座って時々かえるのうたを弾くだけの約束なのに、宿題も多少やってあることが増えて、上達します。

練習しなくても、ワークブックは進めよう作戦

反抗期だったり、ピアノの練習に行き詰まりを感じている場合でも、ワークだけはやれる子もいます。
その際、絶対に
「ワークブックばかりじゃなくて、ピアノの練習もしなさいよ」
と言ってはいけません。

「ワークブック今日もよくやってるね」
と言って、ぐっと堪えましょう。

ワークブックはピアノを弾く以上の効果をもたらすこともあるので、好きならやらせておくが吉です。
「誰よりも私はワークを進めているんだ」という自信に繋がることもあります。

先生にご相談

最終的にはここです。
お子さんの前ではない方がいい場合が多いので、可能なら電話やメールでお聞きする方がいいと思います。

生徒が練習していないことは、先生の方も必ず把握しています。レッスンで会って弾く前から分かったり、弾き始めてすぐに練習不足には気づいています。

レッスン中には真剣に取り組んでいるようなら様子を見てもいいかもしれませんし、子供さんがレッスン内容についていけていないようなら、進度についてご相談しても良いでしょう。
先生も大抵親身になってくれるはずです。

私達ピアノ講師は、生徒さんが楽しく上達していけることを皆願っていますし、出来ることは何でもしてあげたいと思います。
お父様お母様とも情報を共有し、一緒に育てる気持ちでいます。

方針はそれぞれの教室、先生によりますので、どうしても合わない場合は教室変更を考えるのもありだと思います。

お子様が自分らしく練習をし、ピアノをのびのび続けていくにはどうしたら良いか、子供の視点に立って考えてあげたいですね。
私も試行錯誤の日々です。